5つ目の黄色の点(水色の線と重なってる所)
チクルちゃんは、それまでの散歩コース(道)から突然外れて、広大な芝生の方へと入って行った。
芝生とベンチ(近)
その「広大な芝生」には中央に、対照的な程 不自然な「小さなベンチ」が置いてあって……
……そしてそこにチクルちゃんが、ぽつんと一人で座った。
芝生とベンチ(拡)
その(決して見てはいけないような)光景を偶然(必然?)にも見てしまったとき…
ボクの思考は完全に停止してしまった。
樹とベンチ
頭に雷を落とされたような衝撃が走った。
樹とベンチ(拡)
時間だけが過ぎてゆく。
樹とベンチ別角度
なにかに悩んでいるわけでもなく、ただぼんやりと前を見つめている。
『空虚』という単語がまさに ふさわしい光景。
この女の子が精神分裂症で妄想でも見てるか、または鬱病で何か悩んでいるならまだわかる。
でも、この女の子は本当に ただの普通の女の子なんだ。
それなのに、それなのに…(泣)
樹とベンチ別角度(拡)
もうボクは次々と溢れ出る涙を止める事が出来なくなってしまった。
木とベンチ
『なんで人は生きているのかな?』
ボクは『生』というものがわからなくなってしまった…
ベンチ後ろから
人は『空しさ』に気付かないように、なにか娯楽を求めて生きている。
しかしこの女の子は『空しさ』を完全に真っ正面から受け止めてしまっている。
そして何事もないかのように今を生きている。
「何か助けなきゃダメだ!」
一瞬そう思った。
でもきっと何も出来やしない。
そして、この女の子もそれを望んではいないのだろう。
「側によって話かける?」
「何を?」
「どうして?」
「ボクは 一体どうしたらいいの?」
結局この女の子に対しては、遠くから優しく見守ってやる事くらいしか出来ないのに気付いた。そしてその事に気付いてしまった事に対してまた涙が溢れ出てきてしまった。
それが正しい事なのか間違ってる事なのかはともかく…
それ以外に、今のボクには何も思い付くことが出来なかった。